脳科学で解明!美を感じる脳の仕組みと2つの美意識|5分de探究

脳科学
美しい絵を見て感動する時、あなたの脳内では一体何が起きているか気になりませんか?


科学で解き明かす感性の正体と、いつものアート鑑賞がもっと知的で深くなる視点を”5分”で紐解きます。

▼ この記事でわかること

Q. 脳科学で解明された美を感じる脳の仕組みとは何か


美を感じる脳部位は眼窩前頭皮質です。神経美学は美意識を、生物的本能と学習による知性的なものの2つに分けます。
脳科学で解明!美を感じる脳の仕組みと2つの美意識|5分de探究

神経美学の研究によると、脳は絵画のジャンルごとに異なる部位で情報を処理しますが、美しいと感じた瞬間に活動する部位は共通しています。それは眼窩前頭皮質であり、視覚的な芸術だけでなく音楽や道徳的な行いに対しても同様に反応します。さらに、人が感じる美には、生存本能に基づく生物的な美と、経験や学習によって形成される知性的美2種類が存在することが判明しました。脳科学が解き明かす美の仕組みを知れば、アート鑑賞がより深い知的体験へと変わります。

脳が反応するアートと共通の部位

紡錘状回:脳の側頭葉内側に位置しており、人の顔や表情を識別する際に特異的に活動する領域。
機能局在:脳内の特定の場所が、運動や言語、視覚などの特定の機能を担っているという性質。
眼窩前頭皮質:前頭葉の底部にあり、美しさの判断や意思決定、感情の制御などに深く関わる部位。

美しい絵を見たとき、私たちの脳内では一体何が起きているのでしょうか。実は、見る対象によって活動する場所は明確に異なります。例えば、肖像画なら顔を処理する紡錘状回が、風景画なら場所を記憶する海馬が働きます。このように脳は、担当部署が明確に分かれる機能局在という精巧なシステムを持っているのです。


しかし不思議なことに、ジャンルを問わず「美しい」と感じた瞬間だけ共通して活動する場所があります。それが眼窩前頭皮質です。絵画でも音楽でも、心が動かされたとき、脳はこの1点美の報酬を受け取っています。つまり、私たちが感じる感動の正体とは、脳内の特定部位であるこの場所の活動そのものだと言えるでしょう。

🔍 つまりどういうこと?🔍

絵画の種類によって脳の処理ルートは異なりますが、最終的に美しいと感じるゴール地点1つです。視覚や聴覚といった入力経路が違っても、脳は感動同じ場所同じ価値として処理しています。この脳の反応を知ることで、アート鑑賞は単なる趣味から知的な探究へと深まります。


道徳的な行いをしている人を見て美しいと感じている脳のイメージイラスト


── では、目に見えない美の正体を探りましょう。

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善行や真理に反応する脳の活動

道徳的美:困っている人を助けるなどの善い行いを見た際に感じる、精神的で崇高な美しさ。
真善美:人間の理想的な価値観とされる、真実(真)、道徳的善(善)、芸術的美(美)のこと。
トロリー問題:多数を救うために一人を犠牲にすべきかという、正解のない倫理的な思考実験。

美しさは目に見えるものだけではありません。人助けなどの道徳的美に触れたとき、私たちは「美しい行い」だと感じます。驚くべきことに、このとき脳内では、美しい顔を見たときと全く同じ場所が活動しています。脳にとって、見た目の美しさ行いの善さは、等しい価値を持つ情報として同じ場所で処理されているのです。


この事実は、正解のない難問に直面した際の大きなヒントになります。トロリー問題のように論理で割り切れない決断や、物理学者が仮説を選ぶ際、最終的な決め手になるのは個人の美意識です。真善美が混在する世界で、脳の美的反応は、私たちが進むべき道を示す羅針盤の役割を確かに果たしているのかもしれません。

🔍 つまりどういうこと?🔍

心の美しさは単なる比喩ではなく、脳科学的な事実として見た目の美しさ同じ場所で処理されます。論理で解決できない問題に直面したとき、私たちはこの美の感覚を頼りに、善や真実を判断しているのです。美意識は、人生の重要な決断を支える羅針盤として機能しています。


生存に必要な自然の美しさと、学習によって理解できる数学的な美しさの対比イラスト


── では、美意識の2つの起源を紐解きましょう。

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生存本能と経験が作る2つの美

生物的美:魅力的な異性や豊かな自然など、生存や繁殖の欲求を満たすために感じる美しさ。
知性的美:数学の証明や高度な芸術など、知識や経験によって後天的に形成される美しさ。
普遍性:時代や文化、個人の経験に左右されず、多くの人間に共通して見られる性質。

そもそも、なぜ私たちは美を感じるのでしょうか。1つ生物的美です。みずみずしい果物や魅力的な異性を美しいと思うのは、生存と繁殖に有利だからであり、これには時代や文化を超えた普遍性があります。本能に刻まれた、生きるためのシグナルとして、誰もが生まれながらに持っている感覚と言えるでしょう。


もう1つは、より高度な知性的美です。数学の数式や難解な現代アートに感じる美しさは、学習や経験によって後天的に作られます。これは個人の生き方や文化に強く影響され、上書きされていくものです。私たちは本能的な美を土台にしつつ、日々の学びによって独自の美意識を一生かけて大切に育てているのです。

🔍 つまりどういうこと?🔍

美意識には、生まれつき備わっている生存のための美と、人生経験を通じて作られる教養としての美2種類があります。前者は変わりにくいものですが、後者は学び続けることで一生涯、磨き続けることができます。あなたの美意識も、日々の経験と共に進化し続けているのです。


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── 最後に、この記事のまとめFAQでおさらいしましょう。

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まとめ:美を感じる脳の仕組み

脳は、視覚情報そのものは異なる場所で処理しつつ、そこから感じる美しさ眼窩前頭皮質という共通の場所で味わっています。それは目に見えるアートだけでなく、善い行いや真理に対しても同様です。私たちが持つこの美意識は、本能と経験の両輪で構成され、人生の重要な判断を支えています。脳を知ることは、自分自身を知ることなのです。
この記事のポイントは、以下の3つです。

美を感じる脳の部位は眼窩前頭皮質
道徳的な善も脳内ではと同じ価値
美意識生存本能と経験から作られる

ここで得た小さな気づきが、明日のあなたの視野をほんの少しだけ広げてくれますように。

❓この記事のテーマに関するFAQ❓

Q1.人によって美しいと感じるものが違うのはなぜですか?

後天的な知性的美が、個人の経験や文化、知識によって形成されるためです。一方で、自然風景などの生物的美には共通性があります。

Q2.脳の特定の場所が損傷すると、美を感じなくなりますか?

はい、例えば顔を認識する紡錘状回が損傷すると、表情が識別できなくなります。同様に、色を処理する部位の損傷で色彩感覚を失うこともあります。

Q3.音楽を聴いたときの脳の反応も同じなのですか?

はい、音楽を聴いて美しいと感じたときも、絵画と同じく眼窩前頭皮質が活動します。芸術の形態が異なっても、感動の処理部位は共通しています。

🖋この記事を書いた人🖋

Alex Kei(学び直し歴史ライター)

早稲田大学創造理工学部卒。ニュースや雑学の解説に自分なりの解釈を加え、【上質な大人の教養】に特化した記事を執筆。
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